Society for Information Display

日本支部

Display Week 2020 注目の発表について


2020年8月3日
SID日本支部 副支部長, 株式会社JOLED 荒井俊明

 

例年USで開催しているDisplay Weekですが、今年は感染症の影響で初のVirtual event形式で開催しております。OLED、micro-LED、AR/VR/MR、printed displays、auto tech、e-paper、digital signage、wearablesなど多くの分野での最先端技術がSymposium、Exhibition、Seminarで発表されております。
聴講した有識者から注目の発表についてコメントをいただいております。既にご参加いいている方々には、聴講しきれなかった異分野の発表情報のご活用などに、まだ参加いただいていない方々には、参加登録判断のご参考にしていただければ幸いです。

◆コメントを頂きました方々へ◆ ご協力感謝いたします。 頁の都合にて、掲載コメントにつきましては適宜修正・アップデートをさせていただいています。 ご了承ください。

以下、コメントを紹介します。

【Display Week 2020 注目講演へのコメント】

Symposium (Emerging Technologies and Applications)
78.2 : Using Physical Books as Interfaces to Digital Displays
紙の本をインターフェースに用いたデジタルディスプレイの新しい形(a-book:augmented book)を提案している。
紙の本に搭載されたボタンを押して端末にシームレスにコンテンツを表示するビデオは見ていて面白かった。
出版物の価値を向上できることから、出版業界の盛り上がりにも一役買いそうと感じた。 耐久性やリサイクル性など課題も多そうだが、教育現場への普及なども応用例として記載されており、今後の動向も期待される。

(大日本印刷・小川智洋)
Symposium (Display Systems )
10.4 : Taking High-Dynamic Range Further: Apple Pro Display XDR
今年のDisplay of the year awardを受賞したApple社のPro Display XDRに関する発表。Blue LED backlightのLCDだが、Lenz、Reflector、Diffuser plate、Color conversion sheet、Light homoginizer film、Floating postを駆使して、均一かつ高効率な光源を実現している。注目の発表。

(JOLED・荒井)
Symposium (Display Manufacturing)
15.2 : Gen 10 Excimer Laser Annealing System
G10の基板の搬送、アニールを基板を浮かせた状態で行っているのは、日本のメカトロニクス技術の粋を集めたものかと感心致しました。きっと現場では苦労したと思います。

(近畿大学大学院・濱田弘喜)
Seminar
SE-8 : Printed OLED Displays and Their Backplane Technology
OLEDディスプレイの基本構造・動作原理・これまでの歴史・注目技術など、たいへんうまくまとめられていて、初学者のかたの教科書となるべき内容である。

(龍谷大学・木村睦)
Seminar
SE-12 : TFT Backplane Technologies for Flexible and Stretchable Displays
LTPSや酸化物のTFTをフレキシブル・ストレッチャブルディスプレイに応用するための技術紹介。 ご自身の研究成果を中心に、多くの技術開発を紹介されている。

(龍谷大学・木村睦)
Women in Tech
第4回目初めてのオンライン開催となったWomen in Techは新しい趣向として一人男性を入れたパネルディスカッションとして開催。 女性を取り巻く環境、その環境にどのように対処していったら良いか等、産業界で活躍されている女性陣の経験・知見をお話されています。 是非参加して頂き、活かしていただければと考えます。

(SID President・辻村隆俊)
Symposium (Liquid Crystal Technology)
45.1 : Multi-Spliced LCDs for Foldable Mobile Device: Seamless Technology and Applications Symposium
45.2: Ultra-Narrow Border Display with a Cover Glass Using LCDs with a Polyimide Substrate

フォールダブル(折りたたみ型)ディスプレイに対抗する技術としてSpliced(接合型)ディスプレイが注目されています。 これは額縁を限りなく細くした複数枚のディスプレイを連結したもので、折りたたむことでディスプレイの大きさを自由に変えることができる技術です。 Session 45 Conformable LCDsでは、Splicedディスプレイの実現に必要となるボーダーレス(狭額縁)技術について2件の報告があります。 講演番号45-1では、画素領域にBuffer TFTを配置することでディスプレイ端部のGOP領域を細くすると共に、画素構造を工夫してカバーガラス端部に生じる虹色を抑えることで、左右の額縁の幅0.3mmを実現しています。 講演番号45-2では、基板に透明ポリイミドを用い、偏光板、ドライバICとFPCをディスプレイ背面に折りたたむことで額縁幅0.4mmを実現しています。 Spliced LCDは高い信頼性を有しており、新たな分野への応用が期待されています。

(東北大学・石鍋隆宏)
Seminar
SE-7 : Ultraflexible and Stretchable Electronic Systems
関谷先生の研究成果は、医療分野はもちろん、情報ディスプレイの研究分野においても顕著であり、これまでの関谷先生の研究成果なしでは、現在と将来のフレキシブルディスプレイの実現はありえません。 群を抜くUltraflexible and Stretchable Electronic Systemsのご講演をお聴きください。

(龍谷大学・木村睦)
Symposium (OLEDs)
6.1 : Lifetime Improvement of TADF OLEDs
Hyper Fluorescence技術を使ったLG社によるTADFの寿命改善に関する講演。 特に青色で、効率を蛍光比で169%まで改善させつつ、蛍光比で45%の寿命を達成。 高電流密度下で効率(EQE)が向上するような工夫を行っている。 改善の余地を残す内容ではあるが、TADFとして長寿命を実現しており、2日目の発表の中では視聴回数が際立って多い。 論文の内容と発表内容が大分異なるためか?

(JOLED・荒井)
Symposium (Active Matrix Devices)
7.4 : Development of High-Mobility Top-Gate IGZTO-TFT and Suppression of Threshold-Voltage Shift in Short Channel Utilizing Laser-Irradiation Process
NHKの最新研究の成果報告。レーザー照射でAOS-TFTのセルフアラインソースドレインの形成に成功。 ここではI-V特性の評価までであるが、セルフアラインであるので、寄生容量低減による過渡特性の改善も期待できそうである。

(龍谷大学・木村睦)
Symposium (Active Matrix Devices)
24.1 : Development of High-Quality IGZO-TFT with Same On-Current as LTPS
24.4 - High Refresh Rate and Low Power Consumption AMOLED Panel Using Top-Gate n-Oxide and p-LTPS TFTs

24.4では、n-Oxide TFTとp-LTPS TFTsで、ゲートドライバでCMOS回路を形成している。 だれもが効果的と思っていたが、おそらく様々な困難があったのだと予想されるが、ここで実際のプロトタイプが報告された。 ビデオによる比較もわかりやすい。

(龍谷大学・木村睦)
Symposium (Active Matrix Devices)
38.1 : High-Performance Metal-Oxide Semiconductor-Based Optoelectronics
最後の部分で、IGZOによるニューロモーフィックについて言及していて、今後有望なアプリケーションとして興味深い。

(龍谷大学・木村睦)
Symposium (Active Matrix Devices)
7.2 : Hot Carrier Degradation in High-Mobility Metal-Oxide Thin-Film Transistors
招待講演の浦岡先生はTFTの信頼性研究の権威。 今回はいまやTFTの大きな流れのひとつになりつつあるアモルファス金属酸化物半導体(AOS)TFTについて、整理しわかりやすく解説していて、スライドは教科書となりうる系統的内容である。 AOS-TFTの研究者は必見である。既に「Like」のカウントも多い。

(龍谷大学・木村睦)
Symposium (Active Matrix Devices)
38.2 : Magnifying Viewer Using Poly-Si Thin-Film Phototransistor and Liquid-Crystal Microlens Array
自分の講演で恐縮ですが、いままでSlides and Audioをアップできていなかったのですが、たったいまアップロードしました、すぐに講演サイトに反映されました、このような即時対応可能もVirtualのメリットでしょうか。 プレゼンを覗いてみたが音声がなくて聴かなかったかたはもう一度どうぞ。

(龍谷大学・木村睦)
Symposium (Display Manufacturing)
9.2 : Manufacturing Process for Mass Production of MicroLED Displays and High-Speed and High-Yield Laser Lift-Off Systems
IDW'18で発表のあったV-Technology社からのµLED製造技術の続報。 Selective Laser Liftoff技術にてサファイヤガラスからLED Chipを転写する。 LEDはUV発光でカラーフィルター様のRGB蛍光体を発光させる。 転写成功率は99.998%とのことで、製造適用までには一桁程度は改善させたいところだろうが、500ppiまでの高精細RGB配列のデモまで成功しており、期待の大きさは視聴回数に現れている。

(JOLED・荒井)
Seminars
SE-9 : Artificial Intelligence: from Pixels and Phonemes to Semantic Understanding and Interactions
専門外のかたにもわかる、人工知能・機械学習・ニューラルネットワークの講演。 ディスプレイにこれらの技術を新たに導入したいと考えているかたはどうぞ。

(龍谷大学・木村睦)
Keynotes
(Robert Wisnieff): Progress Towards Quantum Computers with Advantage
Keynoteがはじまりました。まずは量子コンピューティングについての講演です。 最近は国際会議の基調講演で、メインのスコープよりも分野を拡大したテーマが講演されることがトレンドで、このKeynoteもより拡大した計算基盤に関する講演です。 講演者も過去にはディスプレイの研究をしていたそうで、様々な分野の知見を持つことがこれからの研究者には必須です。

(龍谷大学・木村睦)
Technical Session Previews
Technical Session Previewsでは、それぞれのSessionのChairが、そのSessionの講演について簡単に紹介しています。 Virtual Conferenceになりすべての講演を聞くことができるようになり困惑しているアナタ、Technical Session Previewsで聞きたい講演を絞り込めるかもしれません。

(龍谷大学・木村睦)
Opening Remarks
いよいよDisplay Weekが始まりました。Virtual Conferenceをお楽しみください。 Opening Remarksでは次期Presidentの辻村氏が、困難な状況下においてもDisplay産業の現状・今後とSIDの意義・進化をお話ししておられます。 ぜひご一聴ください。

(龍谷大学・木村睦)

【Display Week 2020 概要】

日   時2020年8月3日(月)から8月7日(金)
場   所オンライン開催
主   催Society for Information Display (国際ディスプレイ学会)
参 加 費$350 (会員、Symposium、Seminar、Short course、展示会 の全てを含む)
(参加登録は、以下Link先のATTENDEE/Registrationタブより)
使 用 言 語 英語

詳細および参加申込はWeb Site:http://www.displayweek.org/2020.aspxよりお申し込みください。